2022-06-14

音楽を通して描く世界

さて、以前「音楽という言葉」について語ったわけですが、実はこのCDではもう一つテーマ、いや、込めた想いがあります。

 それは、「子どもから大人まで、いろんな人に楽しんでもらいたい」ということ。 

音楽は言葉である

音楽を楽しむ

音楽を楽しむ 音楽を楽しむ、というのも漠然とした話題ですが、ことクラシック音楽に関しては敷居が高い、難しいと言われることが多々あります。 

たしかに、小難しい顔で暗い寂しげなステージで難解長大な曲を演奏する・・・なんて捉えると、僕でも難しそうだと思います。難しいから、鑑賞するための知識や教養が必要だけど、それも難しい!!なんて困った悪循環に陥っている方もいるかもしれません。 

まぁ、実際、知識や教養はあって困ることはありませんし、それらによって新たな興味へとつながることは間違いないのですが。 

ない、のですが・・・! 

でも、僕は思うのです。音楽を楽しむ上で最も必要なものは、知識なんかじゃなく、「想像力」なんじゃないかと。 

例えば、アルバムの最初に収録されているバルトークの「3つのチーク県の民謡」。 どこか懐かしさを感じつつも、明らかに異郷の地であるとも感じさせる音楽ですよね。 

では、想像してみてほしいのです。 そこはどんな国なんだろう?どんな規模の村なんだろうか。いや、人がたくさんいれば町かな?どんな人がいるんだろう。服装はどんなかな。建物は鉄筋ビルではないよな、土づくりかな、レンガかな?この人たちはどんなときにこの音楽を演奏していたんだろう?楽しいときかな、悲しいときだろうか?天気は、雰囲気は、食べ物は・・・

 etc…

こうした鑑賞の仕方には、答えや正解というものがありません。もちろん、作曲家が作曲する上で見ていた風景や思い描いていたイメージというものは存在するのでしょうが、そんなものはその本人にしかわからないものです。 

我々は、例え訪れたことのない地だったとしても、そこで紡がれた音楽を通して想像することができます。聴く人によって全く異なるイメージが浮かぶかもしれませんし、何か共通するモノがあるかもしれません。また聴く日や年齢でも認識が変わるかもしれません。 でもそれでいいんだと思います。この不安定さこそが、その自由を許された余白こそが、音楽の楽しみなのではないかなと思うのです。 

音楽という言葉にのせて、古の風を感じ、作曲家の想いに触れ、また自分の中の感覚を知る。

するとさらに世界は広がり・・・ なーんて、そんな楽しみ方をしてもらえたら嬉しいなぁと思いながら、梨本は曲を選んだのです! 

ちょっとした想像小旅行に、お子様の想像力のお供に、ご家族のコミュニケーションに、はたまた嫌な現実からの逃避先にも! 是非1枚いかがでしょうか!!

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